2009年6月19日金曜日

動物ダンス

家には野菜がこじんまり植えてある。


朝起きて、まず始めに成長具合を確かめるのが日課である。

きゅうりは黄色い花をいくつか付け、小ぶりな身が数個育ち始めている。
いち早く20cm程になった1本を収穫して食べた。
トゲの立つ取れたてはみずみずしくうまい!

ナスの薄紫の花は下を向いて咲き、そろそろ実が出来る気配がある。
枝豆は20cm程、10株以上あり大量収穫が楽しみである。
春菊、小ねぎ、かぶの成長は穏やかで、
チンゲン菜は油断して、なめくじにかなり食べられた。

土を喰らい日々ゆったり成長していく姿は皆たくましい。


我が家にはブンチョウが一羽いる。
真っ白なのでシロと言う名前である。
雛から餌をあげて育て、馴れ、元気に若者に成長した。
シロは真冬でも水浴びをして、健康そのものであり、餌も良く食べる。
好きな食べ物はチンゲン菜で、小ぶりでも味が好ければ食が進む。

以前、シロを肩に乗せ、人前で一緒に踊ったことがある。
風きり羽を切っていないので、観客の方へ飛んでいくかと不安もあったが、
しっかりと私の身体にしがみつき、飛んでいかなかった。
まあ飛んだらそれで演出にしてしまおうと思っていたのだが
大したものである。観客の感想は「ブンチョウすごい」と。
一瞬で目を奪う動物の力は強固である。

家では飼い猫のハナがいない時に放すのだが、
すぐ頭や肩や腕に乗ってくる、頭や肩にフンをしてしまうのは
さほどかまわないが、困るのは私の腕や首の小さいほくろを餌と思い
「チクリ」とついばんでしまう。
これはとにかく痛い。

手乗りブンチョウなるゆえんであり、もちろん愛らしい姿であるが、
飛び回ることもない。自分の責任かブンチョウの性質か、
羽があるならもう少しは飛び回ってもいいものなのだが、
軽快にツンツン跳ねまわる”その踊り”には悩みがない。

そういえば求愛の動きがダンスといわれる鳥や動物も多く、
最近ではフウチョウという鳥のオスが、飾り羽を円形に広げメスに
求愛の踊りをしている映像を見た。彼らは皆真剣に踊り、
そしてパートナーと結ばれ子を産み生存していくのであろう。
踊りに魅力が無ければ、雄は繁殖できない。
無くてはならない繁殖の術なのである。

しかし、その踊りには緊張感があるように見えない。
そこが又憎い。

先日の話・・

私の母親が趣味でシャンソンをうたっている。
神戸で発表会があり、その横でひらり踊ってきた。親子競演である。
歌は前々より上手かったのは覚えているが、聞くのは初めてであり、
横で踊るのももちろん始めてであった。

発表会といえども、華やかな照明溢れる舞台上には
ピアノの生演奏、300席程のキャパの劇場はほぼ埋まり、
立派なソロコンサートである。

「ソケリッサ」での衣装もそうだが、最近は上半身裸で素足、
又はほぼ私服のような感じでで踊ることが多い。
しかしシャンソンと場の雰囲気で、裸はかなり違うようである。
アイロンしたシャツにスカーフを巻いてみた。

現在母親は60才半ば、歌詞の意味が深みを帯びて耳に届いてくる。
高校卒業して以来、離れて東京暮らし、全く孝行も出来ていない。
いつもと違い今回は母親のために踊った。

フウチョウの求愛ダンスも真剣だが、私の家族愛ダンスも真剣である。

踊ったのは「見果てぬ夢」という歌で、ドンキホーテが登場する
映画、ミュージカルの「ラマンチャの男」で有名な曲である。
物語の内容は省くが、老人セルバンデスはすばらしい、
彼は理想と夢を貫く姿で罪人達の心を大きく動かす。

踊るその中、母親は終始前を向いて歌い、事も無げである。


良い日であった。







今回はこの辺で

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